花色日記

ゲームや女性向けシチュエーションCDの感想ブログ ネタバレ注意です

酔い愛CD  山口 錦 バド・ワイリー 感想

2014年発売ってあなた一体いつのCDを引っ張り出してきてるんですか…?って自分でも思うんですけど。このブログは完全に私の備忘録が目的なのと、年々自分の中のオタクコンテンツとの向き合い方が変わってきたのもあり、最近心の棚卸しみたいなものをしているので、今後もこういった比較的古いCDやゲームの感想が続くと思います。いや~公式HPがまだ生きててくれて本当にありがたい。気になる方はバナーをクリックしたら、公式サイトに飛びます。

いつも通りネタバレ前提の感想です。ご注意ください。

 


 

◆購入理由

私お酒好きなんですけど、悲しいことにアルコールに強い体質ではないので、せっかく飲みに行っても気持ち良くなるよりも先に気持ち悪くなることが多く、必然軽いお酒かノンアルばかりになってしまって面白くない人生だな~ってずっと思ってたんですよね。
外で汚い酔い方をして他人に迷惑をかけるのは絶対にしたくないけど、せめて自分の家の中でくらい、いろんなお酒を楽しみたいと思ったのですが、まあ外で酒を飲まなければそもそもお酒の知識を習得する機会がない…。仮に私が陽キャパリピリア充だったら、もっと自然に酒の席も多くなって、自分が飲まなくても人が飲んでいるのを見て知識を得ることができたのかもしれないのですが、悲しいことに当時も今も陰キャキモオタ喪なので…。
というわけでお酒の知識を簡単に得ることができたら、ひとりで飲んでもきっと楽しいだろうな~と思ってお酒擬人化系のコンテンツを探してたんですけど、やっぱり連載中の漫画とかになると追い続けるのがしんどいし、当時は日本酒なら日本酒の作品!って感じで結構限定的なものが多く、広く浅く知れたらそれでいいやと思っていた自分に合う作品はなかなかありませんでした。そんなある日、女性向けシチュエーションCDにハマったばっかりで新しいCDを探すのがライフワークと化していた中で、たまたまこちらのCDを見つけたんですよね。1枚で完結してるし、音声なら作業中でも聞けて楽で良いじゃんと即日購入しました。ちゃんと感想やレポを調べることもなく…。

 


 

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◆山口 錦 感想

 

  • これはギャグのCDなんだと思って聞くとめちゃくちゃ面白いんですけど、女性がキャラに萌えるために聞くCDとしてはどうなんですか?こんなにツッコミどころがあって大丈夫ですか?
    まずタイトルコールが始まって、キャラがお酒の飲み方についての注意事項を説明してくれます。お酒を扱うコンテンツなので、正直普段タイトルコールいらねーーーーー!!!派の私でもこのCDに関しては、まあ入れといたほうがいいわと思いました。内容は、未成年の飲酒ダメですよ~とか飲酒運転絶対しないでくださいね~みたいな、本当に一般常識の範囲内の諸注意なんですけど、そういう部分を入れなかったせいで何か問題が起きても困りますしね。
    で、諸注意が終わるといきなりコミカルなシューポンポンッみたいな音とともに、このCDのメインである上記バナーの神経質そうな和服眼鏡美人な山口錦さん (CV:野島健児)が退場し、再度同じ音を鳴らしながら本編が始まるんですけど、このSE、キャラの雰囲気と全く合ってなくてもう面白い。初手で笑わせてくんじゃん。この効果音、もちろんお酒を開けた時の音の再現だと思うんですけど、もうちょっとなんとかならんかったか…?
    そして、日本酒を開けた瞬間目の前に現れた知らない男性に対して、普通の女性は当たり前だけど警戒するというか怖いしビビると思うんですけど、そのヒロインの反応に対して、山口さん「この私を不審者と思うなど、勘違いも甚だしい…!」とか怒りだす。
    いや、不審者だよ。
    いきなり現れて、いきなりヒロインに尊大な態度で話しかけ、いきなり自分の指を舐めさせるのは、まごうことなきゴリゴリの不審者だよ。言い逃れできるか?
    まあ、それでもね。一応人間じゃなくてお酒の妖精?神様?なんかその辺全く設定が定まってないっぽくてモヤモヤするんですけど、まあ人智を超えた存在なら人間の女性に対して性的な感情は湧かぬのかもしれぬな…ならば安心か。と勝手に納得してたら中盤になるにつれて、だんだんヒロインに対して発情しだした挙句、「私も…男なんですからね」とか言いだすから、おーーーーーまえーーーーーー!!!!!人外を理由に自分は大丈夫な存在だっつって女性の部屋に居座るんなら、男性性を出してくんのはおかしいだろうがよ!!!???
    そう、この男性性なんですけど、私はこの山口錦さんのことを男の人というよりお酒のなにかだと思ってそういう認識で聞いてるのに、頻繁に自分は男男男って主張してくるのなんなんですか?お酒にも性別があるんですか?生殖機能があるんですか?最後酔っぱらった勢いでヤッてしまったのかと勘違いした山口さんがちゃんと責任を取ります!みたいなことを言ってるのは、お酒とヤッたらお酒との子供が生まれるからなんですか?そもそも責任って、お酒と結婚したらどこに嫁ぐことになるんですか?ご実家は酒造っすか?それとも酒米農家っすか?何もわからない。

  • 初っぱなからかなり辛口の感想になってしまいましたが、良かったところももちろんあって、その中のひとつがお酒の知識です。1トラックまるまる使って説明してくださるんですけど、これを知りたくて買ったのでこの部分に関しては非常に満足しています。あとになっていろんな方のレビューを読んでいたら、山田錦の解説部分をもう少し掘り下げてほしかったという感想をよく見かけたので、お酒に詳しい方にとってはやっぱ少し物足りないのだろうなあ…と思うのですが、全く知識のない人間にとってはこれくらいでも十分ありがたかったです。
    また、ツマミを用意してくれるのもすごくいい。この山口さん、かなり説教するタイプのキャラなので、それまではこの人一体何から目線なんや…と思ってたんですけどツマミ作ってくれるシーンは主夫感あって良かった。お酒の飲みすぎをいさめてくれるのも素直に良いなと思ったので(なお、説教するわりには自分のほうが記憶なくすまで酔っぱらう模様)
    普段真面目なタイプが酔って甘々になっちゃうギャップ、個人的には好きなほうなんですけど、なんというか同じ小言系のキャラにするなら、教師系よりもオカン系にもっと振ってくれたほうが自分の好みだったかも。
    声優さんの演技もすごく良かったと思います。このCD後半はキャラがべろんべろんに酔っぱらってるので、酩酊状態の演技なんて絶対難易度高いじゃん…って思うのに全然違和感なく聞けるどころか普通に体調が心配になってくるの、改めてすごい演技力だなあ。

  • あともうひとつ気になる点がありまして、それが山口さんのセリフで頻出する「全く…」という言葉です。この「全く…」まあ説教系キャラは確かにみんなよく使うし、この単語だけでむしろそういうキャラだってわかるくらいテンプレと化したセリフだと思うんですけど、このCD内で出てくる頻度が高すぎるんですよね…。
    最初は全然気にならなかったんだけど、例えば「全く…あなたときたら…全く…」みたいに間を置かずに2回出てきたりするので、さすがにくどい。なんかあまりにも意味なく多い気がして、もしかして声優さんのアドリブなのかな?とか考えたんですけど、次のバド・ワイリー編でも全然タイプの違うキャラなのにそこそこ「全く…」が登場したので、多分ライターさんの癖っぽい。購入特典のSSペーパーでも出てきたのを見た時にはさすがに笑っちゃった。
    なんかだんだん気になってきて、一体このCD内で「全く…」という単語が何回出るのか数えてみたんですけど、「全く…」カウントが15回を超えた時点で、さすがにわれに返ってやめました。気になる方がいらっしゃいましたら、真相はぜひご自身でお確かめください。


 

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◆バド・ワイリー 感想

  • もっ、もっ、森久保~~~~~~!!!!!という感じのキャラで、いっそすがすがしい。森久保祥太郎がひたすら子猫ちゃん子猫ちゃんって言ってるのを聞くCDだと考えると、買って損はないし十分元とれると思う。いきなりがっつりセクハラしてくるのも、まあ二次元ならこういうタイプのいわゆる様式美だし(当たり前だけど三次元ではどんなにイケメンでも犯罪だから…やめようね!)派手で軽い冗談を言うタイプなのもあって、それに対してちゃんとヒロインが言うべきツッコミをしながら対応してるっぽいのも安心感を感じる。上記の山口錦編でのヒロインは、山口さんの説教が強すぎて言われるがまま流されてる感あったので。
    やっぱりこちらのCDでも、結局あなた方何者なんですか?お酒の妖精なのか神様なのか、お酒の特殊能力のあるただの人間の男の人なのか、一体なんなんですか?という疑問は尽きないし「いろんな女の子と付き合ってきたけど~」的な台詞が出ると……今まで顕現できなかったのにどうやって???お酒の世界のお酒の女の子と付き合ってきたの??と思わなくはないんですけど。
    でもなんかワイリーくんは(多分お兄さんキャラなんだけど、くん付けしたくなる程度には若そう)最初から男男男!!!というのを全面に押し出してきたまま居座るので、なんかもうお酒のなにかという人外的なイメージよりは、あぁ~~~普通の人間の男の人が勝手に不法侵入してきた挙句、いきなり抱き付いてくるぅ~~~(諦め)というテンションで物語に入れたので、最初から最後までそんなに違和感なく聞けました。ええんかそれで。いや、ええんやこういうCDはそれで。

  • ただ、上記の山口さんよりもこっちのワイリーくんのほうがぶっちゃけ紳士に見えるのは、ちょっと問題な気がする。これ、山口さんのほうは真面目系が酔ったら甘えんてくるというコンセプトに比べて、ワイリーくんのほうはチャラ系が酔ったら真剣に口説いてくるというコンセプトなので、こんなんどうやっても元々真面目なほうが不利じゃ~ん。普段チャラいやつがちょっとでも真面目な部分出してくると、10割増しに見えるのずるいじゃ~んとは思うんですけどね。
    それ差し引いてもなんか…なんだろ…気遣いの差かな?後半、下心があるにしても(健全な)マッサージしてくれるし、ハンカチ敷いてくれたり、いろいろ尽くしてくれるのは、散々好き勝手ヒロインを振り回しといて今更!?って思わなくはないけど、でもやっぱりそういう描写がないのと比べたら絶対あったほうが良い。というかむしろそういう部分が、強引なところとあっさり「ごめんな~」って引くバランスの良さとして、彼自身の魅力にちゃんと繋がってると思う。

  • なんか山口錦編と比べると、バド・ワイリー編はバチギレしながらツッコむところがない。しいて言うなら、実際に口に出してるセリフと心の声を分けてくれ~~~!!!!くらいかな。心の声のときはエコーをかけるとか音量変えるとかSE入れるとか、なんらかの工夫をしてくれないと、セリフと声優さんの演技だけで判断するの普通に厳しいよ。これ一見些細なことかもしれないけど、漫画に置き換えたら、心の声なのに吹き出しの形とかしっぽが通常と変わらんって考えると、かなり致命的だと思うんだけど。
    でもこれは山口さんのほうでもそうだったので、このシリーズ全体が口に出してるセリフと心の声の音響に全く差がないんだと思います。こんなCD初めて聞いたな。
    でもそれくらいかな。ひたすら続く激甘子猫ちゃん呼びに耐えられるなら、人にすすめられるCDのひとつだと思います。まあでも森久保さんのファンの方は、それくらい全然余裕でしょ(偏見)それに、人生で特に意味もなく、これほどまでに子猫ちゃんと呼ばれる経験を、世の女性は一回くらい経験しといたほうが良い気がする。例え架空の存在にでもお姫様扱いされる経験って、自尊心が低いタイプの女性の自己肯定感につながる気がするので、わりと大事だと思う。おすすめしときます。
    普通に山口さんと同じようにツマミも作ってくれるし、なんなら目の前で実況しながら作ってくれる分、飯テロ度が増す。お酒の知識も、海外のビールってマジで1㎜も知識がなかったので、そういうビールが存在することすら知らなった身としては非常にありがたかったです。実際にCDを聞き終えた後、試しにバドワイザー買って飲んでみたら、確かに本人の言う通りクリーミーで甘くて飲みやすかった。そう、こういう経験がしたかったからこのCDを買ったので、結果的には大満足です。

  • 最後にこれだけはツッコませてくれ~と思う点は終盤、真剣に「俺のこと…どう思ってる?」って聞いてくる場面ですね。
    ………えっ、初対面でその質問???
    いや、人として好意的に思ってるかどうかくらいなら、まあ答えられると思うんですけど、クソ重ガチ告白に対する返事を要求されるから。会ってその日の夜なんですけど。多分まだ2時間も一緒に過ごしてないと思うんですけど。しかも続いて「普段の俺は適当なやつに見えるかもしれないけど~」とか言ってくるから、普段の俺???今日初めて会ったばかりで、多分ヒロイン普段の君のこと何も知らないよ?????ってなる。
    この辺り山口さんのほうでも感じたんですけど、男性側は二人ともヒロインのことを、人型ではなくお酒という存在として(????)いつも見守っていたらしいんですけど、ヒロインのほうは当たり前ですけど今まで一度も彼らに会ったこともなければ、そもそも存在を認識してないんですよ。にもかかわらず、彼らが既知の間柄として話を進めてくる時があって、すげーややこしい。
    最初はちゃんとどちらも「こうやって実際に会うのは初めてだけど~」みたいなことを言ってくれてるのに、途中からその認識がなくなって自分に対して「知ってるとは思うけど~」みたいなノリで話してくる。これ例えば自分のペットのネコちゃんとかワンちゃんとかが擬人化した設定なら、言葉は通じないけど普段からお互いの性格を認識できてるから、そういう発言をしても納得できるんですけど。
    こういう「あなたは知っているでしょうけれど、彼女は知らないはず」の情報を当たり前のように話されると、聞き手としては脳が混乱するので勘弁してほしい。

 


 

 

◆総評

同じシリーズのCDなのに、ちょっと感想に差が出ちゃったな~。まあ私が、真面目系よりはどちらかと言うとチャラ系のほうが好きなので、自然に自分の好みは反映された感想になるとは思うんですけど。それでも、こういうシチュエーションCD初めて聞くんだけどどっちがおすすめ?ってもしも聞かれたら、やっぱりバド・ワイリーの方をすすめますね。どうしても、真面目系が酔っぱらっているところを見たい人よりも、素直にチャラ系が真剣に口説いてくるのを見たい人のほうが、一般的には多い気がするので。

あとこのCD、全年齢対象の女性向けシチュエーションCDの中では(これでも)かなり健全なほうだと思うんですけど、私はこのシリーズ18禁指定にして性行為ありで出したほうが良かったんじゃないかと思ってます。と言うのも、ぶっちゃけ終盤会話のバリエーションが尽きちゃって、同じセリフの繰り返しになっちゃってるからです。まあそもそもヤらずにイチャイチャするだけのセリフなんてバリエーションが少ないんだから、途中で尽きるのも当然だわな。それを同じようなセリフでもなんとか聞けるように、ベテラン声優さんたちががんばって演技で工夫してくれてる状態なので、脚本の稚拙さに対して声優さんに丸投げしてる感がすごい。
全年齢対象の女性向けシチュエーションCDって、何度も言いますが性行為なしだと絶対にセリフのバリエーションが尽きるので、長くて濃厚なストーリーでそれらを補ってるものと、特にストーリーがあるわけではなくゆるく聞いてる間に寝落ちするのが目的で、そもそも会話が少なくてもオッケーな添い寝系のものの、2種類に分けられると思うんですけど、このCDどっちにも属してないから中途半端なんですよね。せっかくお酒をテーマにするんだったら、酔ったまま聞いて自然と寝落ちしてもいいように、添い寝系にもっとがっつり振っても良かった気がするんですけど。ストーリーがかなり軽めなせいで一回聞いたらもういいかな感は否めないし。
でもそうじゃなくて、今のストーリーでいきたいんだったら、最初から18禁にして余った尺をもう性行為で埋めるしかない。たった1回でもヤッてるシーン入れたら、ストーリーにメリハリがつくし、終盤のヤらずにイチャつく台詞の貧困さは少なくとも補えるはず。
あとせっかく体からお酒の味がする設定なのに、唾液だけで済ますの正直もったいない気がする。精液もお酒の味したら絶対面白い(最低)

…とここまで一気にまくしたてたものの、このシリーズもしも声優さんを先に決めてからキャラとか脚本を作ったのだったとしたら、まあ大人の事情で18禁にはできないので無駄な提案ですよね〜。18禁にして別の声優使えばいいじゃんっていうのは、私が声優さんにあまり興味がないからこそ出てくるクソオブクソな発想だと思いますし。エテルワール健全なブランドだもんな…。 健全なブランドには健全なままがんばってほしい気持ちはあるので、変に18禁押し付けるのはこの辺でやめときます。