花色日記

ゲームや女性向けシチュエーションCDの感想ブログ ネタバレ注意です

SEVENTH HEAVEN vol.5 シオン 感想

SEVENTH HEAVEN

思いっ切りネタバレ前提の感想です。また18禁ではないものの、性的な内容の含まれるCD(は?)ですのでご注意ください。

 

ついにRejet系CDのレビューです。が、先にこのブログのRejetに対する姿勢を明記しておきます。

ぶっちゃけ「嫌いじゃないけど全然好きじゃないよ」です。

購入するのをやめるほど関心がないわけではないし、むしろ新作が出ると、なぜか嬉々としてチェックしてしまうところがある。

でも作品の8割方は全く自分の好みと合わず…いやというか倫理観が合わずに、不愉快な思いをすることが多々あり、なんというか愛蔵渦巻く非常に複雑な想いを抱いているので、他の記事に比べてRejet系のCDの感想はかなり辛口になってしまうと思われます。

上の注意書きの「18禁ではないものの、性的な内容の含まれるCD」っていうのも、なんかギリギリのところを攻めているのが、きちんと正規の手順を踏んで18禁をたしなんでいる淑女(自称)としては普通に腹が立ちます。たまにどう聞いても激しくヤッてる時があるんで、ちょっとはゾーニングしてくだされ。

ただ、容易にRejetをディスりたいとか、Rejetを好きで楽しんでいらっしゃる方を批判する意図は全くありません。アンチでもないのに、こういうよくわからない楽しみ方をしている変なやつもいる、ということをご理解いただけますと幸いです。

 

◆購入理由

Rejetのサイトって、キャラ紹介にそのキャラの特徴的な単語がずらずら羅列してあることが多いのですが、大体ドSか俺様かヤンデレのどれかの単語が入っててなんかもうドSのバーゲンセールにもほどがあるし、そのキャラと別のキャラがどう違うドSなのかが全然わからないし、まあつまりはサンプル視聴必須なんですけど、1から順に視聴したところ、この5番目のキャラのあまりのDQNっぷりにドン引きして購入しました

まあ、今考えると怖いもの見たさというやつだったのかもしれません。Rejetはホラーコンテンツか何か?

 

◆感想

DQNの観察記録CD

と考えると、とてつもなくクオリティが高いと思います。声優さんの演技もそうなんですけど、あーDQNの人ってこういう喋り方するよねーというのが全面に出ていてすごいです。凄み方とかやじり方とか、女性をいかに脅迫するかの一点に力が注がれています。男性向けのNTR系のエロ漫画で、こういうDQNがよく彼女寝取ってくるよね。NTR地雷なんで最悪。

「退屈だからヒロインで遊ぶ」と言った次の瞬間の発言が「誰がお前なんかで遊ぶか」だったりするのがね、もうね、聞いてて頭がおかしくなる。言ってることが秒で変わるのヤバいでしょ普通に。

自分が仲間相手に犯したいたずら(私物破損系が多く正直いたずらでは済ませられない)を、ヒロインがしたことにして罪をなすり付けようとするのもヤバい。隙あらば肉体関係に持ち込もうとするのも、その場のノリですぐどうでもよくなるのもヤバい。

そしてそれら全ての言動が、一切ためらうことなく完璧にスムーズに遂行されているのがヤバい。普通ちょっとはちゅうちょするだろ、人の心があればな。犯罪を平気で犯す側の人間の思考や行動として、かなりリアルなほうなんじゃないかと思います。

まあこれだけ書いておいて、このCDの本来のコンセプトがDQNの観察記録ではないという点が一番ヤバいんですけど。

 

・本来の女性向けシチュエーションCDとして

あのですねえ…ここまでガチ犯罪者レベルの言動のキャラに萌えろって言われても普通に無理ですがな。

正直言って彼が小学生ぐらいの年齢だったとしても、ギリ許容できるか悩むレベルの言動ですよ、これ。人としてやってはいけないポイントが多すぎる。

一応そりゃそういうCDですから~?後半はわりと「いや、こんな性格だけどいいところもあるよ」なエピソードがたびたび挟まってくるんですけど、その程度で前半のヤバさが補えるわけねーだろ!!どう甘く見積もっても、全然清算できないんですわ。

そもそもですね、私は精神年齢が低めの男性キャラが好きで俺様系あさってるところがあるんですよ。だけどいくら精神年齢小学生でも、最低限の倫理観は必要だと思うんです。対人間である以上。Rejetは、マジで、それが、ない。

 

・ヒロイン側の違和感

じゃあヒロイン側にはなんの問題もないのかと言われると…うーん…。そりゃこのどうしようもない状況だと、か弱い女性がひとりでどうにかできるかって考えたら無理なんですけど。それでももう少し…もう少しなんとかならんかったのか…?と思ってしまうんですよね…。

通して聞いていて、あまりヒロインの性格がわからないのも、そう感じた要因のひとつなのかも知れません。 真面目で気の弱いタイプなのかな?と思えば、一緒に海に行った時は結構やんちゃにやり返してる感じがするし、ちょっと考えたらそれ普通は言わないほうが良いやつなんじゃ…みたいなことを平気で言ったりもする(これはわりとRejetヒロインあるあるです)ので、なんかどういう人柄なのかがつかめない。

特に私自身は、ありがたいことに希死念慮が少ないほうなので、自己投影して聞くのは少し難しい設定ですし(そもそもシチュエーションCD自体、自己投影しながら聞くタイプではないのですが)

ヒロインの前提からして難しい設定であるのは承知の上で購入したので、だからこそもうちょっとヒロインに関して深く描写してくれたほうが、自己投影はできなくても感情移入はできたかもしれないのにな~と思います。共感はできなくでも、ヒロインの抱えてる悲しみや辛さに同情したかった。結局、こういった悲しい設定のヒロインに対して、最初から最後まで、理解しようとしても理解できなかったのはとても残念です。

 

・シリーズの設定に関して

…と、ここまで結構ゴリゴリに批判しておいて何を今更な話なんですけど、購入理由に書いた通り、これ一応シリーズものにもかかわらず、私は5番目のCDから聞くというアレな聞き方をしちゃってるんですよね。

なので、シオンを含めた死神に関しての設定が全く分からないまま聞いている。ヒロインは自殺しようとしていた時にシオンに会ってるのに、なんか途中からヒロインはもう死んでて幽霊的な扱いになっててよくわからない。魂を成仏させる設定も、なんかよくわからない。その他、細かいところもいろいろ聞いててわからんところがめちゃくちゃある。

と言うわけでこのCDの設定全てが??????状態なんですけど、多分これは私がシリーズの途中から聞いてるせいなんですね。1番目のキャラとかがそのCD内で詳しく説明してくれてるんだと思います、多分。だから全体を通して聞けば、的外れな批判をしている可能性が大いにあります。そこは本当に申し訳ない。

ただ、だからこそこのシリーズ全部買って聞いていらっしゃる方もたくさんいる中で、他のCDの登場キャラたちをディスるシーン入れる必要ある?って思うんですよね。いたずら(何度も言うけどいたずらで済ませられない)のシーンなんですけど。

私は全員知らないキャラながらも、シオンに勝手に部屋を荒らされているシーンを聞いていてかわいそうだと思ったし、普通に不快でした。こんなんマジで全部シリーズ追ってるファンへの嫌がらせでは…?仮に自分の推しがいたとしたら、何で自分の推しの部屋が別のキャラに馬鹿にされながら荒らされるのを聞かされないといけないの?って思いますし。少しでも好きなキャラの私生活とか交友関係が垣間見れたら嬉しいやろ?という雑なファンサービスなんでしょうか?知らんけど。

 

・良かった点、というか擁護点

シオンの自殺に関する考え方が「自殺する奴は絶対に悪い」という気持ちと「でも人や状況によっては救いでもある」という気持ちの両者を、自分の中でうまく受け入れることができず、結果ヒロインと自分への苛立ちになってしまっている感じは人間味があっていいなと思いました。まあその苛立ちが、もう少しヒロインにもわかりやすく、もうちょっと控えめだったら、こんなに酷評しなくても良かったんですけど。

自殺が良いか悪いかって本当に難しい問題なので、あまりにもどちらかの価値観に偏って描写されると多分もやもやしてしまいますし、その点は上手なあんばいだったと思います。

そういう、良かったところをもうちょっと全体的に掘り下げてくれていれば…と思うのですが、このCDどうもRejetのシチュエーションCDの中ではかなり初期の作品みたいで、まあ容量的な問題はあったんじゃないかなと思います。今では、大体どれも二枚組みでガッツリ長編ですもんね。

あと歌に関しては、私こういう声優さんの歌がメインのCDに全く詳しくないのであまり言及したくないのですが、素直に良い曲だと思います。ただ、歌入りCDガチ素人としては、どういう気持ちで聞けば良いのかさっぱりわからなかったので、歌入りのシチュエーションCDを今後買うことはもうないかな~。

 

◆総評

男性側はクズクズ&クズだし女性側はちょっと何考えてるのかよくわからないし、そもそも前提がヒロイン自殺から始まってるしなんか救いもないしで、まあただただ胸糞悪いCD。この一言に尽きるんですけど、なんかたまに聞きたくなる時がある、私のRejet作品全般に対する評価が大体そんな感じですね。

でも実はRejet作品を実際に聞くまで、Rejetってもっとヒロインに対する暴行と強姦がナチュラルにはびこっている世紀末という印象だったので、ここまでヤバい連呼しながらも一番最初に聞いたRejet作品にしては、あれ普通に聞けなくも…ない…?いけるやん!と思いました。

その後、他のRejet作品にも少しずつ手を出し…その結果3個目に購入したCDで見事に地獄を見る羽目になるんですけどね。